2026/05/16 10:32


春の終わり、小さな花畑の奥に“青い花”が咲く場所がありました。
その花は、誰にも見つからない静かな場所で、夜明けの光を浴びながらひっそりと輝いていました。


昔から、その花には不思議な言い伝えがありました。
「大切な願いを胸に抱く人のそばで咲く」と――。


ある日、一人の少女が花畑を訪れます。
自分に自信が持てず、前に進めなくなっていた少女は、風に揺れる青い花を見つめながら、小さく願いました。


「もう一度、笑顔で歩き出せますように」


すると、花びらが風に舞い、青い光がひとつのリボンへと姿を変えました。
幾重にも重なる花びらのようなリボン。
中央には、涙が優しい想いへ変わった証のように、小さなパールが輝いていました。


少女がそのリボンを髪に結ぶと、不思議と心が少し軽くなりました。
怖かった未来が、ほんの少しだけ楽しみに思えたのです。


それからというもの、この青いリボンは
“願いを守る花のお守り”として語り継がれるようになりました。


落ち込んだ日も、嬉しい日も、そっと寄り添いながら――
持ち主の毎日に、小さな勇気と優しい光を届けてくれるのです。