2026/05/14 19:00

店の奥には、誰にも開けられないと言われるガラスの箱がありました。
その中には、“願いを結ぶリボン”が入っているのです。


ある雨の日、一人の女の子が店を訪れました。


「大切な友達と仲直りしたいの…」


店主のおばあさんは、静かに微笑みながら、金色のリボンを取り出しました。
それは夕焼けみたいに温かく、真ん中には小さな真珠が光っています。


「このリボンは、“本当の気持ち”を届けてくれるのよ」


女の子はは半信半疑のまま、そのリボンを髪につけました。
すると不思議なことに、胸の奥で絡まっていた言葉が、すっとほどけていったのです。


翌日、女の子は友達の前で素直に言えました。


「ごめんね。本当は、ずっと大好きだったよ」


その瞬間、リボンの真珠が小さくきらめき、風がふわりと二人を包みました。


仲直りした帰り道、女の子は急いで店へ戻りました。
けれど、そこに「リボンの宝箱」はありませんでした。


残っていたのは、一枚のカードだけ。


“大切な想いを結べた人だけが、この店を見つけられるのです”


女の子はそっと髪のリボンに触れました。
すると耳元で、あのおばあさんの声が聞こえた気がしました。


「そのリボンはね、あなたの優しさそのものなのよ」